産後パパ育休1ヶ月の本音|手取り100%と4歳児メンタルケアの話

産後パパ育休1ヶ月の本音 想定外だったのは新生児ではなく4歳児だった話(沖縄在住パパの解説記事) 子育て・家族
産後パパ育休1ヶ月の本音 想定外だったのは新生児ではなく4歳児だった話

産後パパ育休という制度をご存知だろうか。生後8週間以内、28日までの取得であれば、手取り実質100%が担保される神制度である。

私が産後パパ育休を取得するにあたりイメージしていたのは、新生児育児の睡眠不足や授乳ローテーションの大変さ(ついでに言うと料理担当を任されることも)だった。
しかし、実際にこの28日間で最も過酷だったのは、繊細な4歳長男のメンタルケアであった。もう情緒がジェットコースター。

「お父さん、保育園行きたくない」と泣き叫ぶ4歳児を目の前にして、自分の存在意義を自問する。そんな育休の本音を全部書く。

それでも、取って本当に良かった。「今しかない」という言葉を、これほど体で理解した28日間はない。

沖縄在住30年、副収入ゼロの中小企業診断士の30代パパ、上の子は4歳男児、そして下の子が生まれたタイミングでの1ヶ月育休取得。効果的な取得スケジュール、妻や上の子との向き合い方。きれいごとを排した本音の体験記として綴る。

産後パパ育休を取得したワケ

一人目の時は、「給料下がるくらいなら稼いでこい」と私より男らしい妻が送り出してくれ、育休は取得しなかった。しかし今回は、手取り実質100%を聞きつけ、「確実に取得しろ」という勅命をいただき、産後パパ育休を取得することとなった。

1ヶ月を選んだ3つの理由

候補は「2週間」・「1ヶ月(28日間)」・「3ヶ月」の3択だった。私が1ヶ月を選んだ理由は次の3つだ。

一つ目にして最大の理由、産後パパ育休の制度上限が4週間で、月末跨ぎで取得すれば社会保険料が2ヶ月分免除になること。これは後述するが、手取りの実質100%化に直結する重要ポイントだ。

二つ目、スムーズな職場復帰を企図したこと。育休を半年・一年取得するなら人事異動や配置換えで人員を補充する選択肢もあるだろうが、3ヶ月だと微妙なラインで、会社も困るかなと思ったのが一つ。加えて、変化の激しい業界で、30代中堅という立ち位置で浦島太郎状態が長く続くと復帰した後自分がツラい可能性がある。実際復帰した今でも、ギリギリの期間設定だったなと感じる。

三つ目、妻との話し合いで「最初の1ヶ月が新生児育児とメンタル両方で最もキツい」という結論になったこと。結果的に、結婚してから初めてと言っていいほど長い時間を同じ空間で過ごし、育児のこと、家計管理のこと(ほぼリベシティ)など、沢山のコミュニケーションをとることができた。
オシャレなBGMを流したい私と、リベシティのライブ配信を聞きたい妻とでスピーカーを取り合うという些細な衝突はあったものの(当然妻の勝ち)、育休明けが近づくと、妻からは、「話し相手がいなくなるの寂しい」との御言葉を頂戴した。トゥンク。

診断士としての投資対効果判断

一応、診断士資格取得者として、「この1ヶ月のROI(投資対効果)はどうか」と分析を試みた。手取り実質100%なので投資額は平均残業代だが、利益は定量化不可。しかし、下の子の成長を間近で見られる28日は二度と戻ってこないことを踏まえると、育休はお金では取り戻せない時間への投資であり、(資産肥大化でROAは悪化するものの、)家族というバランスシートに、”信頼”と”思い出”という資産は確実に計上される。これが私が出した結論だった。(ちょっと自分でも何言ってるかわからなくなってきた)

手取り実質100%の仕組み|社会保険料2ヶ月分免除のカラクリ

産後パパ育休の最大のメリットは、育休期間中の社会保険料免除と育児休業給付金の組み合わせで、手取りが実質100%に近くなることだ。多くのパパがこの仕組みを知らずに取得をためらっていルが、知っておく価値は絶対にある。

育児休業給付金は標準報酬の67%

産後パパ育休中は、育児休業給付金として賃金月額の約67%が支給される。「67%じゃ3割カットじゃん」と思うかもしれないが、ここに社会保険料免除が加わると景色が変わる。

月末跨ぎで社会保険料2ヶ月分免除になる取り方

社会保険料免除の要件は「月末時点で育休中」または「同一月内で14日以上育休取得」。1ヶ月連続で月末を跨いで取得すると、両月の要件を満たせるため、2ヶ月分の社会保険料が丸ごと免除される場合がある。

具体例で説明する。

6月30日〜7月27日(28日間)で取得すると、6月分は月末(6/30)に育休中なので免除、7月分は月内取得日数が14日以上あるので免除。2ヶ月分の社会保険料が免除になる。

・一方7月1日〜7月28日(同じ28日間で取得すると、7月分は月内取得日数が14日以上あるので免除だが、6月も8月も免除対象にならず、1ヶ月分のみ免除で終わる。

同じ1ヶ月でも取り方次第で免除額が変わる。ここを知らずに取ると確実に損する。せこいと思われないか心配なあなた。大丈夫、ほとんどの産後パパ育休取得者がやってる。堂々と申請して欲しい。

給付金67%+社保免除=実質100%のカラクリ

通常の手取りは、おおよそ「総支給-社会保険料-所得税」で計算される。社会保険料は総支給のおよそ14〜15%を占めるので、免除されるとその分が戻ってくる計算だ。

私の場合、育児休業給付金67%+免除された社会保険料相当+そもそも引かれない所得税分を合計すると、平常月の手取り(残業無し)とほぼ同額だった。1ヶ月育休の家計インパクトはゼロに近い。ここは取らない理由がない水準だ。

1ヶ月育休の実態|下の子は順調に成長、上の子は順調に赤ちゃん返り

事前に想像していた育休像と、実際の1ヶ月は全然違った。新生児の世話をするために取ったはずの育休だったが、常に私と妻の議論の中心にいたのは4歳の長男であった。

下の子は単なる癒し担当

新生児の育児は、誤解を恐れずに言えば「授乳→うんち→お尻洗う→寝る→授乳→…」の無限ループ(間に1日1回お風呂)。大変は大変だが、やることが分かっていて作業化できる。そして何より、1ヶ月で新生児がこんなに成長するのを間近で見られたのは、紛れもない喜びだった。

首が据わりかける、表情が豊かになる、夜泣きのパターンが少しずつ読めてくる。育休をとっていなければ、日々の微細な変化に気づけず、「いつの間にかこんなに大きくなってる!」という何の面白みもないワンパターンなリアクションしかできていなかっただろう。(育休中も大して面白みのないリアクションだったよと妻に言われそうである)
いずれにせよ、この「今しかない」を体験できただけで、育休1ヶ月の価値は十分にあった。

上の子(4歳児)の赤ちゃん返りが想像以上

一方で想定外だったのが、4歳児の赤ちゃん返りの激しさである。本やネットで「ある程度の赤ちゃん返りは覚悟」と読んではいた。が、我が家の繊細な長男はその想定を軽々と超えてきた。

お風呂に入れたい、ミルクをあげたい、一緒に寝たい。弟のことはとても愛でる。HUNTER×HUNTERのキルアを愛でるイルミが如く愛でる。
しかし、これまで父と母を独占できた環境が一気に変化したことに対して、4歳児がすぐさま順応できるかというとそれは全く別の話である。

それが最も顕著に表れたのが、保育園登園時であった。バイバイするときに、「お父さんがいい!」(←書きたいだけ)と号泣。初めて保育園に登園した1歳の時を彷彿させる泣きっぷりである。

保育園の先生に相談すると、「お家に、お母さんと弟に加えてお父さんまでいる」状態が耐えられないのかもとのこと。確かに送迎時の私は、「保育園頑張ろうね〜」と気楽に言いながらワックスもつけずに私服で送迎し、家に帰ってゆっくりコーヒーを飲むというスタイル。長男からすると「なんで自分だけ!」となるのは必然である。「目から鱗」とはこういう時に使うのかと得心した。

上の子の赤ちゃん返り対策|かりゆしウェア登園作戦

保育園の先生との相談の結論は、「お父さんが朝普通に出勤する姿を見せる」だった。ここで私が編み出したのが、かりゆしウェア登園作戦である。

かりゆしウェアで一度登園→帰宅して着替える

かりゆしウェアは沖縄のビジネスフォーマル。これを着ることで長男の中では「お父さん、仕事に行く」という認識になる。そこで登園のぐずりが落ち着く、という作戦。文字にすると至極普通の作戦である。 先生に事前に事情を伝えておき、登園時には「お父さんもお仕事頑張ってくるね」と言いながらバイバイ。自宅にとんぼ返りし即着替え、育休パパに戻る。日中は家事育児をこなし、夕方お迎えの時間が近づくと、ハンガーにかけていたかりゆしウェアを着てお迎えに行くというなんとも珍妙なルーティーンが出来上がった。

先生に事前に事情を伝えておき、登園時には「お父さんもお仕事頑張ってくるね」と言いながらバイバイ。自宅にとんぼ返りし即着替え、育休パパに戻る。日中は家事育児をこなし、夕方お迎えの時間が近づくと、ハンガーにかけていたかりゆしウェアを着てお迎えに行くというなんとも珍妙なルーティーンが出来上がった。

リストラされて公園のベンチで座るサラリーマン気分

帰宅時にエレベーターで会うマンションの住人は、最初の方こそ、忘れ物でもしたのかな?と思っていたかもしれない。しかし日が経つにつれ、徐々に、こいつ毎日朝早く家帰ってきてるな…なんやねんと訝しんだ表情で見られている気がしてきた。なんともいたたまれない気持ちになる。

「違うんですこれは育休中の長男の感情を安定させる作戦でしてね決して仕事してないとか物忘れが激しくて毎日忘れ物してるとかそんなんじゃナインデスヨ」とか早口で言いたくなるが、余計変な人になるなと思い留まる。

会社からリストラされたことを家族に言えず、毎朝スーツで家を出て公園のベンチで日中を過ごすサラリーマンってこんな気持ちなのかなと思った

この作戦が功を奏し、登園渋りは1週間ほどで徐々に落ち着きだした。(それでも「寂しい…」と言いながら登園していたが)
上の子がいて育休を取得するパパは、是非このかりゆしウェア登園作戦を参考にしてほしい。要望があれば詳細なトークスクリプトまで提供できる。

会社PCは封印が正解|メンタルを守る3つのルール

育休中、会社支給のPCを家に持ち帰って「念のため」置いていたのだが、これが最大の失敗だった。

ちょくちょく見ると、同僚の負担が気になる

最初の1週間はメールを1日1回チェックしていた。自分が抜けた穴を誰かが埋めていて、同僚のカレンダーが打ち合わせで埋め尽くされている。teamsのチャットで「◯◯さんが対応します」という通知が飛んでくる。

見れば見るほど申し訳なさが募り、家族との時間の質が落ちるという悪循環だった。会社PCは物理的に閉じ、LINE・teams等の通知も全部切る。これが正解だ。

メンタルを守る3つのルール

1週間目の失敗を踏まえ、2週目以降は次の3ルールを徹底した。

①会社PCは閉じ、物理的に距離をとる。メール確認は週に1回。
②会社用スマホのメール通知オフ、teams通知オフ。
③緊急時連絡はプライベートの携帯に(実際1回もなかった)。

これで育休後半の2週間はメンタルが劇的に安定した。復帰してから巻き返す前提で、育休中は「育休中の自分」に集中する。診断士の視点でも、マネジメント交代期は後任の自由裁量を最大化した方が組織として機能する。抜けた自分がいないほうが、後任は動きやすい。

1ヶ月育休で得た結論|「今しかない」を痛感した30日間

振り返って、1ヶ月の産後パパ育休を取って良かったと言い切れる。得たものを整理すると以下だ。

得たもの3つ

①下の子の新生児期を間近で見られた。この30日の成長は二度と戻らない。見られたこと自体が最大の成果。

②上の子との向き合い方の再学習。赤ちゃん返りへの対応を通じて、4歳児の心の機微を今までより深く理解できた。この経験は今後の子育てに確実に活きる。

③妻との関係性の再設計。1ヶ月一緒に過ごすと役割分担の最適解が見えてくる。復帰後の家事・育児シェアが以前よりはるかに機能している。あと仲も良くなった。

これから取得を検討するパパへ

迷っているなら絶対取得するべき。1ヶ月、月末を跨ぐ日程で。社会保険料免除の要件を満たせば家計インパクトはほぼゼロ。業務引き継ぎも1ヶ月ならコントロール可能なサイズ。

産後パパ育休は法制度として整備され、会社も取得を推奨する流れになっている。取れる権利を取らないのは、診断士として「利用可能なリソースを活用しない機会損失」と判断する。

新生児の1ヶ月は二度と取り戻せない。取れる環境にあるなら、迷わず取ってほしい。

なお、4歳児長男の「お父さん6番目に大好き」のランキングは、弟の誕生により1ランクダウンした様子である。この機会に学んだ上の子との向き合い方を胸に刻み、まずは五位内を目指す。

同じく産後パパ育休を検討中、もしくは取得済みで「4歳児の赤ちゃん返りに困っているパパ」がいたら、こっそり教えてほしい。一緒にかりゆしウェアを着て、リストラされたサラリーマン気分で公園のベンチに座ろう。

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▶ 「お父さん6番目」の真相は、ブログの自己紹介記事に書いてある。→ 資格を3つ取って副収入ゼロ。そんな中小企業診断士の家計に、妻が革命を起こした

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